録画しておいたWOWOW「天保十二年のシェイクスピア」(蜷川版)を見た。


仕事がら一番気になったのは音楽。
宇崎竜童って、「港のヨーコ横浜横須賀〜」位しか知らないので、どんな音楽を作るのか興味深く見(聴き)始めた。
・・・はっきり言ってがっかり。
気ぃ入れて作ってないのか?
あの歌詞から、もっと色々考えられなかったのか?
次の歌は?次の歌こそ!と期待するも、同じような音楽ばかり。


何様?ってこと書いてしまったけど、音楽って、演劇の非常に大きな部分占めると思う。
少なくとも私にとっては、それで決まってしまうほど大きい。


女性の扱いも気になった。
三世次や王子と交わる太った女性。
もう、グロテスク以外の何者でもない。
女郎役でもあんな扱い、悲しくなってくる。
ましてや「天保〜」は、逞しい女郎たちが話を支えてると思うのよね。
長女:高橋恵子、次女:夏木マリも、色っぽさがなく、ガラ悪いだけで魅力が出せていない。
どちらも、色っぽい女優さんだと思うだけに残念でならない。


救いは、藤原竜也篠原涼子かな?
グロテスクな中の唯一きれいな二人。
(佐吉・浮船のカップルもね。でもちょと被る?)
竜っちゃんは、グロい周りに囲まれつつ、楽しそうに歌っていた。
可憐ー!かわいい〜。(竜っちゃん好きなもんで・・・)
でも、周りがグロ過ぎ。
涼子さんは、からっと現代的なお光、お幸。
早変わりや殺陣もよかったが、もうちょっと悲しさや、しっとりした色気もほしかった。(この際欲張る)
清滝のお婆、百姓隊隊長が出てくると、舞台が決まる感じ。
さすがベテランです。


ラストは、三世次:唐沢敏明、歌舞伎風の熱演だったが、その熱が冷めやらないうちに、全員が三角布付けて例の歌でひょこひょこ踊り出す。
重→軽に付いて行けず、もうちょっと余韻に浸っていたいと思った。


極力、いのうえひでのり版と比べまいと思ったが、駄目だ〜〜〜〜〜〜
生バンドの、あの音楽が耳に聞こえてくる。
「きれいはきたない」はもう、あの歌でしかない。
女郎を犯しながら歌うのは同じ。
でも、三世次(上川隆也)は色っぽく、夜鷹(熊谷真美)は綺麗だった。
次女:西牟田恵は、迫力ある色気を放っていた。
王子:阿部サダヲは、歌も踊りも演技も抜群で、もう、初めから最後まで素晴らしく面白かった。
グループ魂」の阿部サダヲは歌番組で見る限り誰?って感じだけど。
紅白出るんだよね〜。魅力が出せるといいな。
古田新太も出てくるだけで楽しかったし、こちらのベテラン俳優さんたちも存在感抜群だった。
コーラスははっきり言って下手だったが、全員一丸となって踊るのがよかったと、こちらを見て思った。
それから、ラストの演出が全然違う。
いのうえひでのり版のラストはもう忘れられない、圧巻だった。
カーテンコールまで放心状態。
しばらく見てなかったけど、また見たくなった。
何といっても音楽が素晴らしい!
全ナンバーどれもこれも一緒に歌って踊りたくなる。
岡崎司さんって凄いんだ〜!
って改めて思う。
「SHIROH」にも力を注ぎ過ぎ?入院されたほど。
これからもいい音楽お頼みします。
でも、健康には重々お気をつけて・・・。


なんで、いのうえ版は「放送禁止用語」があって放映できず、こちらはできたのか?
同じ戯曲なのに?
台詞一緒だよ?
WOWOWだから?
12月でWOWOWやめる連絡したら、どんな番組があれば再度はじめるかと訊かれた。
この「天保〜」見るために12月まで入ってたんだけど、いのうえ版も見たいと返答しておいた。
ゲキシネの「SHIROH」もリクエストしておいた。
WOWOWの人、新感線のゲキシネ自体は知ってたみたい。
古田新太」さんとか出てる・・・?と言ってた。
「SHIROH」には出とりませんが。